旨い汁を吸うやつら

 今までの法体系では、悪徳商法の被害に対して訴訟や告訴を行うことは可能でも、今まさに行われている(つまり未だ被害が発生していない)悪徳商法を訴えることはできない。また、そういった商売というのは犯罪かどうかのグレーゾーンで行われることが多いので、行政や警察も手を出しにくいところでもある。そこで、消費者の利益を代表する非営利の組織をつくって、詐欺まがいの宣伝などの差し止め訴訟を行えるようにしようというのが「消費者団体訴訟制度/団体訴権」という考え方である。
 こうした訴訟などを担う団体(のひとつ)として日本生活協同組合連合会(日生協)といった消費者団体などが中心となり17日、発足したのが「消費者機構日本」である。つまり、日本の消費者保護制度をつくっていく上で、大変歴史的な出来事なのである。
 で、報道を見てブッたまげたのだが、「会長には根来泰周・前公正取引委員会委員長が就任した」だよ。なんと、プロ野球問題で球団経営者と選手の対立を調停するどころか裏で対立を煽りまくったあげくトンズラしたと言われるコミッショナー氏の登場である。このオッサンがボスの組織に、「消費者・生活者重視の社会」と「安全で安心できる消費生活」の実現を期待する消費者はおらんわな。どういう力学でトップが決まるのかしらないけど、いくらなんでもこのタイミングでそれは不味いと、誰も思わないのかね?
 ちなみに当面のところこういった団体の権限は差し止め訴訟に限られるようであるが、長期的には少数のシロウトでは担いにくい損害賠償訴訟も代行できるようになる可能性がある。その場合、大きな権益が発生してくる可能性があるわけで、信頼できる人物に担って欲しいなぁ、と思うわけである。…まぁ、ダメか、この国じゃ。
 ちなみにその他の役員はこんな感じ