アマチュアとは誰か?

[梅田望夫・英語で読むITトレンド] アマチュア革命がもたらす世界
Amateur Revolution
 原文は、20世紀は「専門家の時代」であったが、21世紀はプロとアマの境界線がぼやけ、プロアマと称すべき人たちが活躍をはじめているという話。事例としてはもちろんオープンソースなどが重要だが、天文学も俎上に載せているのが面白い。
 で、梅田氏によるコメントは、以下の点が非常に面白い指摘ですね。特に学問で食っていきたい人間にとっては非常に厳しい指摘とも言えます。

 プロアマの供給過剰は、おそらくさまざまな分野でのイノベーションを促進することになるだろう。しかし「専門性を持ち、それを拠り所に飯を食っていく」という生き方は、今以上に難しくなると言えるのかもしれない。これまでだと、「ある若い一時期に徹底的に競争して、ある種のCertificates、つまりは既得権を獲得してプロになる」という生き方があり得た。むろんこれからもないわけではないが、それが、20世紀ほど明確な「生涯の競争優位」にはならないことは間違いなかろう。
 ただ、原文のほうではバングラデシュの貧民のために少額融資(ミニマム・クレジット)を行うグラミン銀行ムハンマド・ユヌスが「裸足の銀行家」(barefoot banker)の養成からはじめたという事例にも言及していることからすると、原著者はプロアマの活動を必ずしも収入につながらないものととらえているわけではなさそう。そのあたりソーシャル・ベンチャーNPOで「食べていく」回路ができている社会との差ですかね。

 ところで余談ですがワタクシもハレーすい星見るためにドブソニアン望遠鏡を自作しました。微妙にゆがんだものが出来上がってしまったので、一部を力いっぱい締めつけて覗かないと上手くピントが合わないという代物で、とてもプロアマ・レベルの使用にたえるものではありませんでしたが(笑)。懐かしい思い出ではあります。