インテルナツィオナーレな活動

援助団体としての顔も持つインテル・ミラン メキシコのサパティスタも支援*1  (※有料記事)
 サパティスタはメキシコの最貧州チアパスの先住民団体。独自の軍事組織を持ち、1994年のNAFTA発足に抵抗して武装闘争を宣言、現在もチアパス州に支配地域を維持する。援助はインテル元会長で今も株主である石油王、マッシモ・モラッティが呼び掛け、ザネッティらも協力しているらしい。
 それにしても、サッカーは、スコットランドリーグでのグラスゴーにおけるカトリック系のセルティックプロテスタント系のレンジャーズのように、住民をあげた対立の、一種の代理戦争の様相を呈することは珍しくない。しかしながら、インテルミランという、世界的にもポピュラーな強豪チームの「右と左」という性格分けは世界でも珍しいかもしれない。保守タカ派で、極右北部同盟とも関係のあるベルルスコーニ*2の所有するミランと、系営陣も左派が強いインテル*3。主に労働者層のファンが多いミランと、ユダヤ商人やリベラルなブルジョア層にファンの多いインテル。そもそもインテルはイタリア最古のサッカーチームの一つであるミランが外国時選手の受け入れでもめたときに、受け入れ派が独立してつくったチームであり、それが国際(Internazionale)を名前に冠している理由でもある(だからムッソリーニ時代は名前を変えられるなど、いろいろ厳しかったらしい)。
 ザネッティはベロンとダーヴィッツの加入でポジションを失い、ユベントスに移籍するだろうとも言われていたが、福祉活動にも熱心と言われる彼はそういう意味でもインテルを代表する選手であろう。本人も宣言しているように、最後までインテルでプレーを続けて欲しいものである。【追記】この段、ハビエルとクリスティアーノ、二人のZanettiを混同してますね。失礼しました。前者(アルゼンチン人)は「サネッティ」と表記されるべきなのかも…。

*1:ところで記事のタイトルですが、インテルは「インテル・ミラノ」とイタリア語表記されるべきだよね。ACミランが「ミラン」と英語読みされるのは前身が"Milan Cricket and Football Club"という英国人がつくった組織であるというのが伝統になっているのであって、インテルの正式名称は"Internazionale Football Club Milano"なんだから、インテル・ミラノと発音されるのが(原音主義という観点からは)好ましい。

*2:私の日記、ベルルスコーニへの言及が多いような気がしてきた。これは愛っ!?

*3:余談ですが、イタリアの金持ちで左だといったら、時として他国では考えられないほと左であったりする。かつて、ある大企業の社長が高圧線を通した鉄塔の下で爆死しているのが発見されたことがある。当初は共産主義テロリストの標的になったのではと考えられて捜査が進められたが、後に彼自身が共産主義テロリスト組織のメンバーで、本人が鉄塔を爆破しようとしていてダイナマイトの捜査を誤って爆死したということが明らかになった。彼が社長という職をどのように評価していたのか、今となっては永遠の謎である。