やや真面目に大統領選考察
○The Values-Vote Myth
コラムニストのデヴィッド・ブルックス氏のコラム。ケリーの敗因は複雑であり、それをモラル・ヴァリューだけに帰するのは間違いであると主張。特に、ブッシュが福音派の大動員を成功させたというのは神話であり、むしろマサチューセッツやニューヨークのような民主党支持集で2000年の選挙より共和党支持が増えている理由に注意を払わなければ行けないと主張(保守的と言われる集では必ずしもそうではない)。価値の分断はあるとしても、それは「信仰、リーダーシップ、個人主義、アメリカ例外論*1、郊外(郊外居住者)、ウォルマート、礼儀、経済的機会、自然法、男らしさ、ブルジョワ的美徳やシオン、その他の問題を含む」複雑な問題なのであって、民主党の支持者であるリベラルがほとんど、ブッシュへの投票者を単純化して、そういった問題について田舎に出かけて議論した経験を持たないのは残念な事だ、と述べている。
○ Open Letter To The Democratic Party: How You Could Have Had My Vote
ブッシュに投票したという南部に住むヘテロで、年収約30,000ドルの大卒独身女性を名乗る匿名の投稿。自分はケリーが訴えかけるどころか、その存在すら信じなかった「南部に住む中道の有権者」であると訴えている。
つまり、クリスチャンだが教会には行かず、ゲイの友人もおり、中絶という言葉には拒否感があるがレイプされた友人が出産を余儀なくされて苦労している事は知っている。イラクの子どもたちの写真には涙するが同時に戦争はあの段階で与えられた情報の中では正しかったと信じている。オニオン*2や『ディルバート』やSalon.com*3も読むし、深夜から『ハリー・ポッター』の新作*4のためにならんだ。もし買えたとしてもSUV車を買う気はないし、リサイクルだってしている。ウォルマートで買い物をするが、それには良心の呵責を感じるし、もし彼らが組合をつくることができれば、自分はピケを越えない。FOXが片方にゴリラが乗ったシーソーと同じぐらいバランスの取れた報道をしている事だって知っている。
筆者は、もしケリーなり誰かなりが次に我々の票を得たければ次のような事が必要であると考えている。もっと態度をしっかり決める事やアメリカのために主張する事(特にテロリズムに関して)、ドイツやフランスが何を言うかなど気にしないこと、豊かになる唯一の方法が「だまし取る事」だけであると触れて回らない事。大統領が尊敬できないとしても、丁寧に扱う事。そして最も重要な事は、これ以上筆者たちを罵らない事、だという。
…どうでもいいけど、ウォルマートが鍵ですか、やっぱり(笑。