ダニエル・ピンクのインタビュー

 転職・キャリアのためのPODCAST『フリーエージェント社会の到来』『ハイ・コンセプト: 「新しいこと」を考え出す人の時代 』などの著者、ダニエル・ピンクのインタビューのポッドキャストが配布されていた(こんな顔してたのか…)。
 ピンクはコアのスピーチライターなどを務めた人物で、現在では「フリーエージェント化」の旗振り役となっている。
 日本語訳もサイトに掲載されているが、分かりやすい英語でゆっくりとしゃべっているので、英語の勉強にも良い。


●自らフリーエージェントとなったピンク氏が語る雇われない生き方

 ■第38話 ホワイトハウスからフリーエージェントへ

 ■第39話 フリーエージェントに保障なし?

 ■第40話 見返りなしでも会社にとどまる?

 ■第41話 フリーエージェントの成功とは?

 このあたりは『フリーエージェント社会の到来』も合わせて読むと分かるのだが、アメリカでもフリーランスが昔から主流だったわけではなく、比較的最近(おおむね90年代前半ぐらいから)の傾向だと言うこと。

 この変化をピンクは「契約(Bargain)の変化」、「忠誠心(loyalty)の水平化」として論じている。
 特に、loyaltyの水平化というのは割と面白いポイントで、言い換えるとコネが無くなるのではなくてコネ関係が複雑化(リゾーム化?)するということだろう。
 『フリーエージェント社会の到来』の中でも、フリーエージェントが働くことを難しくする州法を改正させるために圧力団体を結成する話が(非常に好意的に)書かれている。

 それは良い面と悪い面があるはずなのだが、良い面だけを強調してしまうのがピンクを読む際に気をつけなければいけない点であろう。
 しかも、そういった社会のネオリベ化の旗振り役が民主党副大統領(しかも同党の中でも比較的「大きな政府」派と見なされている)アル・ゴアのスタッフだったというのが面白いところ。

 大きな話から歴史の終わりを納得させようとする『フラット化する世界 』のトマス・フリードマンと、わりと身近なところから変化を説き起こすピンクと、人はどっちに説得力を感じるのだろうかというのも興味深いところ。

 

フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか

フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか

 
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

 
フラット化する世界(上)

フラット化する世界(上)

 
フラット化する世界(下)

フラット化する世界(下)