ジャック・デリダ逝く
○Le philosophe Jacques Derrida est mort
○Deconstruction icon Derrida dies
○仏哲学者のジャック・デリダさん死去
死亡記事は各国事情があって興味深い。
「脱構築」の哲学で世界的に有名、というのは各メディアとも触れているところ。
朝日は日仏文化サミットなど日本との関わりと、「国際作家会議」などでの文化人としての活動について触れている。あまり長くはない。
ル・モンドは国内政治にも触れており、リオネル・ジョスパン元首相をサポートする委員会のメンバーだったことに触れている。その後、彼が「ジョスパン氏の配偶者であるSylviana Agacinskiとの間に息子を一人もうけていた」と述べている。クリステヴァの小説を読んだときも思ったけど、フランスは狭いね。
BBCはケンブリッヂ大学がデリダに名誉博士号を出そうとしたとき、学内に彼の書いたものは「現実とフィクションの区別を否定する不条理な教義」であると反対が起こったという逸話に触れている。
彼の伝記映画の中で、監督がデリダの蔵書を指し示して、「この全てを読んだのですか?」と聞くと「いいえ。その中の四冊だけですよ。でも、それらは非常に注意深く読みました」と答えたという逸話が面白い。ドレダ!? (おあとが宜しいようで…)
【追伸】
○ Jacques Derrida, Abstruse Theorist, Dies at 74
N.Y.Timesによる、極めて詳細な記事。