中国、インドを打ち負かす(石油)

China beats India for Angola oil deal
 90年代後半、21世紀は石油問題から水問題の世紀になるだろう、という議論が交わされていたことを記憶している方も多いだろう。しかし実際は、水問題は予想通り深刻になった一方、石油は人類にとって最大の問題でありつづけている(よく考えれば予想範囲内で最悪の結果だ)。これは主に、地球人口のほぼ1/3を占める中国とインドが、予想を遥かに超える速度で経済成長したせいである。ただ、これを環境問題とか地球の未来といった話に短期的に直結させるかどうかは、議論の別れるところであろう。実は石油が枯渇するといったことは当面ありそうにないのだが、短期的な生産能力の拡大には限界があり、奪い合いとはその短期的な利用権の問題に過ぎないことは心しておく必要があるだろう。そして、急速な需要の延びが投機的マネーを誘引しているのが、おそらく現在の石油高の原因である。だから、これを「資源の奪い合い」と捕らえるのはちょっと待ってね、という話。