イラクでの戦争死者数を巡る疫学的研究

Mortality before and after the 2003 invasion of Iraq: cluster sample survey
100,000 civilians may have died in Iraq conflict
 メディアでもだいぶ取り上げられていますが、ランセットの元記事が読める事がわかったので、リンク。
 Iraq Body Countというサイトは、メディアなどで報道されたイラクの死亡者を積算した数を表示している。もちろん、死者数の報道は完全なものではないので、多少少なく評価されている事は予想されていた。しかし、権威ある医学誌ランセットに発表された論文によれば、これは驚くほど過少な評価だったようだ。
 イラク33ヶ所の1000世帯の死亡数と理由を戦争前15ヶ月と戦争後18ヶ月について調査したところ、イラク全土における死亡率は戦争前の2.5倍に及んでおり、これをイラクの人口に当てはめると戦争開始後10万人が命を落とした計算になる。増えたぶんの大半はアメリカ軍の誤爆などによるものであり、その多くは女性や子どもである。
 ちなみにイラクの人口は2500万人。つまり、これをほぼ五倍の人口を持つ日本に当てはめると50万人規模の被害という事になり、姫路や鹿児島といった都市が一つ消滅した計算である。
○これに冠する国際反戦ネットワークANSERの声明その日本語訳