虐殺の再調査

TWENTY YEARS OF IMPUNITY: The November 1984 Pogroms of Sikhs in Ind
 インドの元首相インディラ・ガンディーが暗殺されてから、10月31日でちょうど20年を迎える*1。インディラは同年6月、インド北部に住む宗教少数派シク教徒の反政府運動を抑えるために、シク教総本山であるゴールデン・テンプルに軍隊を入れ、そのことの反発からシク教徒であった自らのボディーガードに暗殺された。国民のマジョリティに人気のあったインディラの暗殺は、その直後からだいたい4日間にわたった、大規模な暴動とシク教徒に対する虐殺事件を引き起こした。この虐殺はインディラがリーダーだった与党インド国民会議派のメンバーの組織的関与が疑われていたが、これを調査する(実に7つも設置された)代々の政府委員会は長い議論を重ねてきたが、結局のところ玉虫色の結論にしか到達していない。
 20年目にしてアメリカに基盤を置き、インドの人権問題を監視するNGOであるENSAAFのレポートが発表された。[PDF版]
 調査を後押ししたHuman Rights Watchの主張によれば、会議派の高位のメンバーであり、この虐殺事件に責任がありながら長い間不当な免責(Impunity)を受けてきた人物が厳正な調査を受けるべきときである、という。ちなみに現在の首相であるマンモーハン・シンはシク教徒であり、このことがインドの陰の歴史に光をあてるチャンスになる可能性はあるわけである。

*1:画像はインディラ・ガンディー