本日、NHK、チャベス大統領特集

Hugo Chavez

NHKスペシャル『脱アメリカ宣言 ベネズエラ 7年目のチャベス革命』
 なかなかNHKも思い切ったものです。なんどか触れているとおり、小国ながら豊かな石油資源を持ったベネズエラの反米アクションは、この先の国際情勢を左右する重要な要素になります。チャベス自身も元軍人で、クーデターで名前を知られるようになったということもあり、側近も容赦なく切り捨てるというこわもてのイメージがある一方で、国内の土地改革に関しては意外と合理的だったり、アメリカ合衆国内の貧困層に手をさしのべるなど、なかなかの策士だったりします。
 前回ブラジルを訪れたときにチャベスの講演会に出たのですが、万を超える参加者が熱狂的にチャベスの名前を叫ぶのを見ると、ちょっと危ないという気もしなくもないのですが、まぁ、熱しやすく冷めやすいラテン気質と言うこともあるのでしょう。どうもこの人の未来というのは予想しづらいというのですが、そのぶん主義主張や手法の好き嫌いを超えて好奇心をかき立てられる存在でもあり、見ておいて損はない番組になるのではないかと…。

 「アメリカの裏庭」と言われた中南米ラテンアメリカでいま続々と左派政権が誕生し、アメリカが主導する南北アメリカの政治・経済の統合にノーを突きつけ始めた。
 アメリカはこれまで軍事力でラテンアメリカの政権を転覆し、IMF(世界通貨基金)や世界銀行などを通じて経済の構造改革を求めてきた。しかし、そうしたアメリカの対策が、独裁政権を生みだし、貧困と格差をもたらしたことに民衆が目覚め、当のアメリカに対して異議申し立てを始めたのである。
 ベネズエラチャベス大統領は石油の莫大な収入を背景に社会主義革命を進め、ブラジルのルラ大統領はサトウキビから石油の代替エネルギーエタノールを生産し、貧困の撲滅をめざし、チリ初の女性大統領バチェレはピノチェト軍事政権下の負の遺産から脱却し、「成長と平等」を実現しようとしている。
 新しいリーダーたちは互いに連携しながら、発展めざましい中国・インド・EUなどと急接近し、21世紀の「潮流」の担い手として表舞台にせり上がってきた。こうした動きに警戒感を強めるアメリカは、ラテンアメリカイラク後の不安定地域と位置づけ、その対策に本腰を入れはじめた。共存か衝突か、いま世界の熱い視線がラテンアメリカに注がれている。
ウゴ・チャベス(ベネズエラ大統領)、アメリカ合衆国の貧困層への石油援助などを表明
ベネズエラのチャベス大統領、国連総会で大暴れ