木は実は往生際が悪い

The science behind why leaves change colour in the Autumn
 リヴァプールジョン・ムーアス大学のDr. Dave Wilkinsonらによると、紅葉について言われてきたこれまでの学説は間違いであるという。これまでは秋になるにつれて光合成が活動を止めて、葉緑素が壊れてくるので他の色が目立つと説明されてきた。また、包括適応度で有名なウィリアム・ドナルド・ハミルトンは、より美しく紅葉することで、木々は病害虫に対して健康をアピールしているのではないかと論じた。しかし、ウィルキンソン博士らによれば、紅葉は秋季の乾燥に耐えつつ、より低温で効率の良い光合成を行うための、一種のローションとして機能しているのであるという。というのも、単純に使えなくなった葉が落ちるのではなくて、木は葉が落ちる前に翌年に使うための重要な化学物質を葉から抽出して蓄えるらしいことが判ってきた。このために、葉は最後の最後まで光合成を止めることはなく、また光合成の活動は葉が色を変えないことに直接関係はしていないのである。