Book Review
○日経サイエンス 12月号 遅まきながら『日経サイエンス』「特集:大選択 地球の未来 2050年をどう切り開くか」を読む。下記目次を見て頂ければわかるとおり、人類社会にとっての喫緊の課題が総覧的にフォローされていて有用性が高い。ただ、環境と貧困、人口…
○ニュートラル(5) 特集:水こそすべて この雑誌を初めて知りました。グラビア旅行雑誌という体裁ですが、このケララの特集はハードな話をちゃんとまとめてあります。 村にコカコーラ工場ができて、村民の生命線である地下水位が低下。コカコーラはアメリカ資…
松本 健一 2004 『大川周明』 岩波書店 靖国や中国の問題にタイミングを合わせるよう(?)に再刊された。ちょうどいいので読むべし。いろいろ面白い論点が提示されているのでちゃんと書評したいのだが、こね繰り回しているとタイミングを逃すような気がする…
以前紹介しました岡部一明氏の『サンフランシスコ発・社会変革NPO 』ですが、氏のウェブサイトで何章か公開されているのに気づきました(いつからだろ??)。特に、タイズ財団の章は必読。 分類としてはまず、カーネギーやゲイツなどお金持ちの個人・家族が…
父親の本棚で発見(笑。デジタル・カメラの入門書。デジカメの入門書や雑誌の特集というと、機種ごとの使い方とかスペックが書いてあったりして、そういうのはすぐ情報として古くなるわけだが、本書はカメラの基礎をきちんと解説している。その意味で、ちゃ…
著者は長くアメリカで暮らした後、東邦学園大学教授。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/ アメリカの市民活動の圧倒的な層の厚さを見せつけられる。特に、市民の寄付による財団の話は圧巻。例えばタイズ(潮流)財団という、市民による小口の寄付で成り立…
入門書としてデザインされているだけあって、極めて薄く、すぐに読み切ることができるであろう。第一に、現代の環境人類学に至る学説史として粗削りで、いくつかの重要な問題が欠落しているという意味で不十分である。また、本書で与えられている事例は多岐…
大統領選で国民戦線のルペンが躍進したことは記憶に新しいが、フランスを中心にヨーロッパで右派に魅かれる若者が増えている現状のルポ。 実はインドもそうだっていう話をしたことがある( 経済(移民・南北) 〜誰がもうけてんだー!?参照)が、ヨーロッパ…
そろそろ今年もノーベル各章の発表が近づいて参りました。わたしゃ関係ありませんが、多くの科学者にとって最大の栄誉として君臨し、一度とれば全ての肩書きを押しのけて"Nobelist"として紹介されるようになるほど権威ある賞ですが、その背景には悲喜こもご…
○『戦争における「人殺し」の心理学』[Amazon] / [bk1] デーヴ・グロスマン著 読んでないのですが、忘備録的に。第二次世界大戦における米軍の歩兵のうち、戦闘中にライフルを発砲できた兵士は15%以下しかおらず、これを増大させるのが米軍の重要な目標にな…
マイケル・ムーアの『ボーリング・フォー・コロンバイン』[Amazon]にも出演していたアメリカの社会学者グラスナーの"The Culture of Fear"[Amazon] / [bk1]の翻訳。 どのように「社会の危機」が煽られ、事実とみなされるようになっていくかについて論じてい…
インドに今も残る深刻な差別の問題を、ダリットと呼ばれる被差別階層の視点から描いている。特に、被差別階層を組織してインド初の女性州首相(U.P.州)になり、現在もその影響力を増大させ続けている人民大衆党のマヤワティに関しての報告は貴重。 でも、一…